溶接工を目指す方や、配管工としてスキルアップを考えている方にとって、「どの溶接技術から覚えるべきか」は重要な問題です。富山市で長年配管工事に携わってきた経験をもとに、溶接技術の種類と習得順序について詳しく解説します。

主要な溶接技術の種類
アーク溶接(被覆アーク溶接)
特徴 アーク溶接は最も基本的で汎用性の高い溶接方法です。電極(溶接棒)と母材の間に発生するアークの熱で金属を溶かし、接合します。
メリット
- 設備が比較的安価
- 屋外作業でも風の影響を受けにくい
- 厚い鋼材の溶接が可能
- 様々な姿勢での溶接ができる
デメリット
- 溶接棒の交換が頻繁
- スパッタ(飛散物)が多い
- 溶接後のスラグ除去が必要
用途
- 鉄骨構造物の溶接
- 配管の現場溶接
- 補修溶接
ガス溶接
特徴 アセチレンガスと酸素を混合して燃焼させ、その炎で金属を溶かす方法です。
メリット
- 熱影響が少ない
- 薄板の溶接に適している
- 切断作業も可能
- 設備の持ち運びが容易
デメリット
- 溶接速度が遅い
- 厚い材料には不向き
- ガス管理が必要
用途
- 薄い鋼板の溶接
- 銅管の溶接
- 修理・補修作業
TIG溶接(アルゴン溶接)
特徴 タングステン電極を使い、アルゴンガスで溶接部を保護しながら行う高品質な溶接方法です。
メリット
- 非常にきれいな溶接ビードができる
- スパッタがほとんど出ない
- 精密な溶接が可能
- 多様な金属に対応
デメリット
- 技術習得に時間がかかる
- 溶接速度が遅い
- 設備が高価
- 風に弱い
用途
- ステンレス配管の溶接
- アルミニウムの溶接
- 高品質が求められる溶接
MIG/MAG溶接
特徴 連続供給されるワイヤと母材の間にアークを発生させ、保護ガスで溶接部を保護する方法です。
メリット
- 溶接速度が速い
- 連続溶接が可能
- 自動化しやすい
- 溶接姿勢の制約が少ない
デメリット
- 設備が高価
- 風の影響を受けやすい
- 細かな調整が必要
用途
- 工場での量産溶接
- 厚板の溶接
- 自動溶接システム
溶接技術の習得順序
1. アーク溶接から始める理由
基礎技術の習得 アーク溶接は溶接の基本原理を学ぶのに最適です。アークの安定、溶接棒の角度、進行速度など、溶接の基本的な感覚を身につけることができます。
現場での実用性 配管工事の現場では、アーク溶接が最も多く使われています。まずはこの技術を確実に身につけることで、即戦力として活躍できます。
資格取得の基盤 アーク溶接技能者の資格は、他の溶接技術を学ぶ際の基礎となります。
2. ガス溶接の習得
補完技術として アーク溶接では対応できない薄板や特殊な状況で、ガス溶接が威力を発揮します。
切断技術も同時に ガス切断の技術も同時に習得でき、作業の幅が広がります。
3. TIG溶接への挑戦
高度な技術として 基本的な溶接技術が身についてから、より精密なTIG溶接に挑戦します。ステンレス配管などの高品質な工事に対応できるようになります。
キャリアアップの武器 TIG溶接ができることで、より高度な工事を任され、収入アップにもつながります。
4. MIG/MAG溶接の学習
効率性の追求 大量の溶接作業や工場での作業に対応するため、効率的なMIG/MAG溶接を学びます。
各技術の習得期間目安
アーク溶接
- 基本動作の習得:1-2ヶ月
- 実用レベル:3-6ヶ月
- 資格取得:6ヶ月-1年
ガス溶接
- 基本動作の習得:1ヶ月
- 実用レベル:2-3ヶ月
- 資格取得:3-6ヶ月
TIG溶接
- 基本動作の習得:3-6ヶ月
- 実用レベル:1-2年
- 高度な技術:3-5年
MIG/MAG溶接
- 基本動作の習得:1-2ヶ月
- 実用レベル:3-6ヶ月
- 設定技術の習得:1年
溶接技術習得のコツ
基本姿勢の重要性
正しい姿勢
- 安定した足場の確保
- 適切な作業高さの設定
- 疲れにくい体勢の維持
視点の確保
- 溶接部がよく見える位置
- 適切な照明の確保
- 保護具の正しい使用
継続的な練習
毎日の練習 技術習得には継続的な練習が不可欠です。短時間でも毎日溶接に触れることで、感覚を維持できます。
様々な条件での練習
- 異なる材質
- 様々な厚さ
- 各種溶接姿勢
先輩からの指導
実践的なアドバイス 経験豊富な先輩からの指導は、技術習得の大きな助けとなります。
安全な作業方法 正しい安全対策を身につけることで、事故を防ぎ、長く働き続けることができます。
資格取得の重要性
技能検定
溶接技能士
- 3級:基本的な溶接技術
- 2級:実用的な溶接技術
- 1級:高度な溶接技術
特別教育
- アーク溶接作業者
- ガス溶接技能者
資格のメリット
就職・転職に有利 資格があることで、技術力の証明となり、就職や転職時に優遇されます。
昇進・昇格の条件 多くの会社で、資格取得が昇進の条件となっています。
資格手当 資格取得により、毎月の資格手当が支給される会社も多くあります。
富山市での溶接工の需要
産業の特徴
富山市は製造業が盛んで、特に金属加工業や機械製造業が多く、溶接技術者の需要は安定しています。
主な就職先
- 建設会社
- 製造業
- 造船業
- 配管工事会社
将来性
老朽化したインフラの更新や、新たな建設プロジェクトにより、溶接技術者の需要は今後も継続すると予想されます。
まとめ
溶接技術の習得は、アーク溶接から始めて、段階的に高度な技術を身につけていくことが効果的です。各技術には特徴があり、現場の需要に応じて使い分けることが重要です。
富山市で配管工・溶接工として活躍したい方は、まずはアーク溶接の基礎をしっかりと身につけ、その後、必要に応じて他の技術を習得していくことをお勧めします。
アイ・ディ株式会社では、溶接技術の習得をしっかりサポートします。
経験豊富な先輩職人が、基礎から丁寧に指導いたします。未経験者歓迎ですので、お気軽にお問い合わせください。



